よーた(@yotaszk)です。「iPhone X」を購入してからかれこれ1週間以上使い込んだ。開封レビューを発売日に公開したが、そのときに感じたことや使い込んで見えてきた「iPhone X」の魅力、一方で欠点など徹底的にレビューをしていく。
本記事では、前半でソフトウェア面のことに触れ、後半でハードウェア面のことに触れていることを意識すると読みやすいかもしれない。「iPhone X」を購入予定の人はもちろんのこと、買う予定がない人にも読んでもらいたい。
すぐに慣れるジェスチャーたち
「iPhone X」は、ボタンの中で、人類が一番した押したであろう「ホームボタン」の廃止に伴い今までのiPhoneとは別物と言っていいほど操作感が違う。購入前は、ジェスチャーに慣れるか心配だったがすぐに体に馴染んできた。
特に便利なのは、「ホームインジケーター(下のバーの名称)」の上で指をスライドさせることによってアプリ間を移動するジェスチャー。ホームボタンを2回押してアプリスイッチャーで切り替えるよりもスマートなのでお気に入り。
「ホームインジケーター」での操作感は、使っていると自然と操れるようになる。さすがAppleと言える点であり、苦にならずに「iPhone X」用の新ジェスチャーが馴染んできた。
生まれたての「Face ID」
「Touch ID」から置き換わった「Face ID」だが、正直に言って「Touch ID」より便利になった感じはない。なぜなら、上にスライドするジェスチャーが増え明らかにワンテンポ遅いと感じるため。
思い返すと、「iPhone 5s」に「Touch ID」が採用されて登場した時、必要ないと思い「iPhone 5」に留まった僕。時が経った今は、「Touch ID」のない生活は考えられないくらい生活の一部になった。生まれたての「Face ID」はこれから僕たちの生活に馴染んでいくのかな?成長が楽しみである。
机に置いたままのロック解除は難しい
デスクワークの最中に、MacBookを正面に置き、その横に「iPhone X」を置くようにしている。「iPhone X」を使うためにわざわざカメラを覗いたのに、失敗するという悲しい結末に。机に置いたままのロック解除はとても難しいことがわかった。
「iPhone 8」までは「Touch ID」に当てるだけでロック解除できたので、それを考えると…残念である。「適材適所」という言葉があるが、iPhoneは「Touch ID」のままで、むしろ顔の正面にディスプレイが常にあるMacBookを「Face ID」に変更した方が良かったのでは?と思ってしまった。
便利か不便かわからない通知のプレビュー
「Face ID」で所有者を確認してからプッシュ通知のプレビューが表示される機能がある。第三者に見られたくない通知(例えば、プライベートなLINEや仕事の内容など)を守る点では最強に優秀な機能だと使っていた。
その一方で、デスクワークの際にはプレビュー内容が、持ち上げてロック解除するまで表示されず、結局のところ便利か不便かよくわからないと感じた。デスクワークが多い人は、オフにしていた方が便利に使える気がした。
「Animoji(アニ文字)」は楽しいが送り先がない
「Animoji(アニ文字)」はすごく楽しい。だが、日本ではiMassage(Apple純正のチャット機能)を使う機会は少なく、やはりLINEへ頼ってしまう。そこで「iPhone X」で楽しい「Animoji(アニ文字)」を送る相手がいないのが残念だ。
動画として保存し、活用している方もYouTubeで見かけた。工夫次第でクリエイティブ活動に活かせそうなので何かしてみたいなぁ!!絵文字好きの僕としてはワクワクする機能だった。
— よーた / YoutaChannel (@yotaszk) 2017年11月5日
キーボードが切り替えにくい
一番使うキーボードだからこそ気になるのかな。ディスプレイが丸角になったので、下にできた余白にキーボードを切り替えるための「地球儀ボタン」が配置された。これがなんだか押しにくい(自分だけかも?)。
せっかく、ディスプレイが大きくなったので、メモや長文メールが少しでも多く表示されるのかなと予想していたが、無駄なスペースが表示されたキーボードのUIになってしまった。iOSのアップデートでいい感じに変更して欲しいものだ。
また、キーボードの「音声入力」をオフにすると地球儀ボタンが大きくなる設定をしている人も多いはず。左右対称にアイコンがないと気持ち悪かったので、音声入力をオンにしてみた。音声入力を何度か使ってみたところ、なんだか良さそげだった。
残念な「iPhone X」非対応アプリたち
多くのアプリで「iPhone X」の縦長ディスプレイに対応してないアプリが多いように思える。よく使うアプリだと「LINE」を筆頭に「Google Maps」なども非対応のまま。
YouTubeなどの動画は、ディスプレイのアスペクト比が16:9から2.17:1に変更されたため、どうしてもランドスケープモードで動画の左右に黒い帯が出てしまう。大画面を活用できていない感が凄まじく出てしまうのが悲しい。
縦長ディスプレイと同様に「Face ID」もアプリが対応する必要がある。「iPhone X」でLINEのロック解除する手段はパスコードロックのみ。ここだけ、まるで時代を逆戻りしたかのよう。
アプリの開発とUI設計を両方行う僕として、対応が遅れているアプリはこんな要因で遅れているのかなと考察を箇条書きにしてみた(あくまでも勝手な考察)。
- センサーハウジングの影響で、今までのUIを引き伸ばすと要素が隠れるので再設計中
- センサーハウジングの影響で、今までのUIを引き伸ばすと要素が隠れるので保留中
- 「iPhone X」のユーザー数が少ないのでまだ様子を伺ってる
- 「iPhone X」は来年も出るのか、特別モデルなのかわからないので放置
- そもそも「iPhone X」がまだ手元にない(泣)
iOSデベロッパーのみなさん、よろしくお願い致します!
横の操作は片手でも快適
僕は「iPhone 6s Plus」から5.5インチサイズのiPhoneを愛用してきた。当然だが重く、片手での操作は難しい。それと比較して、横の操作は「iPhone 8」と同じくらいなので手が届く。
縦の操作は、ディスプレイの形状から上の方は手がほぼ届かない。コントロールセンターが上から出す方式に変わったので、今まで使ったことのなかった画面が下半分に降りてくる「簡易アクセス」を使う機会が増えた。
センサーハウジングは気にならない
「iPhone X」の購入前にディスプレイの切り欠け部分(センサーハウジング)が気になるのではないかと心配していた。実際に使っていると、不思議なくらいディスプレイの切り欠けは全く気にならない。アプリによって気になったの開封レビューの時が既に懐かしい。
発色が美しいディスプレイ
「iPhone X」では「有機ELディスプレイ(OLED)」が採用された。液晶ディスプレイと比較して、発色がはっきり綺麗になった印象がある。暗い場所だと目にキツイと感じるほど綺麗。
解像度もiPhone史上最も高く、環境に合わせてホワイトバランスを調整する「True Toneディスプレイ」もバッチリ対応している。iPhoneで間違えなく一番見るディスプレイが綺麗なのは快適である。
コンパクト、最高かも?
画面が縦長になったのに「iPhone X」はコンパクトで素晴らしい。今まで「iPhone 8 Plus」が入らなかったタイトなジーンズやバックパックのサイドポケットにも入れられるのは最高すぎる。
カメラに指が触れて汚れる
「iPhone 8 Plus」に慣れていたので、コンパクトになった「iPhone X」を握ると気になることがある。カメラのレンズ部分が指が触れて汚れるということだ。持ち方を変えればいい話だが、感じたこととして一応書いてみた。
ステンレススチールのフレームはすぐ汚れる
ケースの仕様にもよるが、上記と同じくステンレススチールのフレームはすぐに汚れるということがわかった。「Apple Watch Series 2」のステンレスも気になったが、「iPhone X」とダブルで気になる。ケースを変えるか拭き取りたいと思う。
内側カメラの進化の恩恵はなし
「Face ID」の搭載に伴い、「iPhone X」は内側カメラ(True Depthカメラ)が凄まじい。背面のデュアルレンズカメラでしか撮影できなかったポートレートモードでの撮影がインカメラでもできるようになった。
確かに綺麗。すごい綺麗!しかし、男子高校生の僕が所有する「iPhone X」のインカメラが活躍するときは少ないだろう。インカメラの恩恵を存分に受けることができるのは、JK(女子高校生)とYouTuberくらいだろうか。
確実に進化した、外側カメラ
外側カメラもガッツリと進化を遂げた。デュアルレンズカメラのレンズは上下に変更され、コンパクトなサイズながらポートレートカメラが使えるようになったのが素晴らしい。ブログやInstagramに投稿する写真や友人との思い出の一枚のクオリティが確実に上がる気がした。
バッテリー持ちは微妙
バッテリー持ちは体感では正直言ってあまりよくないと思う。僕が「iPhone 8 Plus」のバッテリー持ちに慣れていた影響かと予想し、ブロガー仲間であり「iPhone 8」を使っている「部長ナビのページ」のぶちょーさんともMessengerで意見交換したが、二人とも意見が一致した。
参考までに、Apple公式サイトの仕様ページでは、「iPhone X」のバッテリー持ちについてiPhone 7より最大2時間長いバッテリー駆動時間と書いてある。
ワイヤレス充電はあくまでも補助的
「iPhone X」にもワイヤレス充電(ワイヤレス充電規格Qiをサポート)がやっとiPhoneにやってきた。ワイヤレスを謳いながら充電マットまでは有線だし、充電するために置くという習慣がそもそもなかった。
時間がない通学前の朝には、30分で最大50%も回復する「急速充電」は強い味方で感動するくらい速い。よって、今のところ「ワイヤレス充電」はメインで使うことなく、補助的な役割として位置づけている。
まとめ:「iPhone X」=「(今のところ未完成な)未来」
あれこれと「iPhone X」を使い込んだ感想をまとめてきた。結局のところ「iPhone X」は買いなスマートフォンなのか?結論から言えば、全員がすぐに買い換える必要はないと考える。大多数の人は今はまだ「iPhone 8」もしくは「iPhone 7」で幸せになれると思う。
なぜなら「iPhone X」のセンサー類(例えば、AR機能など)や「A11 Bionic」のニューラルエンジンを最大限に活かせるソフトウェア(アプリ)は少なく(ほぼないと言ってもいい)、さらに新たな操作方法を体得する必要があるため。
「iPhone X」のハードウェアは、iPhoneの象徴とも言える「ホームボタン」を廃止するというパラダイムシフトが起こった。続いて進化すべきなのは、言うまでもなくiOSなどのソフトウェアだろう。数年後、誰もが想像できないようなアプリが出てきた時こそ、「iPhone X」の真価が発揮される瞬間だと信じている。
以上で、4800字を超える「iPhone X」の徹底レビューを締めくくることとする。僕は「iPhone X」という「(今のところ未完成な)未来」と共に今日も明日も生活していくと決めた。